はごろもブログ
猫の消化器型リンパ腫~末期患者の治療~
2017年10月30日
こんにちは、院長の渡辺です。
今回は消化器型リンパ腫のネコの話です。
リンパ腫というのは、血液に流れているリンパ球が腫瘍化した病気です。
そして腫瘍ができた部位が、例えば胃や腸である場合を『消化器型リンパ腫』と言います。
いくつかのタイプがある中で消化器型は猫ちゃんで割合の高いリンパ腫と言えます。
以下がリンパ腫になってしまった猫ちゃんのエコー画像です。
腸の壁が腫れています。黒く抜けている所が異常部位です。
リンパ腫は抗がん剤が比較的に効果の出やすい腫瘍ですので、この猫ちゃんも抗がん剤の治療をしています。
以下は抗がん剤投与、約1週間後の画像です。
次は約2週間の画像です。
腫瘍の腫れが幾分減ってきているのが分かります。それと共に猫ちゃんの発熱、嘔吐、食欲不振が改善していきます。
ぐったりしていた状態からキャットタワーに飛び乗ったり猫ちゃんらしい動きができるようになります。
猫の消化器型リンパ腫は治療を施せば年単位での長期生存が可能のケースもあれば、数か月の余命のケースもあります。この猫ちゃんは残念ですが後者のケースでした。
こういった癌の末期患者は病気の悪化してくる時期のケアがとても大切です。抗がん剤も効かなくなり嘔吐や食欲不振、脱水が起きてしまい心身共に辛い状況に陥ります。末期時の緩和ケアはいくつかあります。以下に記します。
①脱水に対して→適切な補液。嘔吐や食欲不振などの程度で量や回数が変ります。やり方がわかれば家でも出来ます。
②嘔吐、悪心→強力な吐き気止めを使います。一般的な胃薬や制吐剤ではコントロール不可能なものに使用します。気持ちの悪さは人でもかなり辛いですよね。
③食欲不振→いくつかの食欲増進剤を使います。何も食べないようではさらに身体が辛くなります。
④痛みの管理→人で言えばロキソニンのような薬から麻薬、もしくは麻薬と同等の作用を持つ薬まで幅広く用います。
少し長くなりましたが、参考になりましたでしょうか?
リンパ腫の猫ちゃんの例でしたが、この猫の飼主さんは緩和ケアを一生懸命やって頂けたので、猫ちゃんが亡くなる直前まで頻繁な嘔吐や発熱など、苦しむような様子がほとんど見られなかったと言われました。診察時も割とリラックスしていて病気の苦しさがかなり緩和できたのではないかと思っています。
当院では末期患者の緩和ケアを出来るだけサポートしたいと思っています。
- ご案内
〒190-0021
東京都立川市羽衣町2-11-3
国立ダイヤモンドマンション1F
診療時間
月 Mon |
火 Tue |
水 Wed |
木 Thu |
金 Fri |
土 Sat |
日 Sun |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00 ▼ 13:00 |
● | ● | ● | 休 | ● | ● | ● |
16:00 ▼ 19:00 |
● | ● | ● | 休 | ● | ● | 休 |
※祝日は終日休診です
地図
電車:西国立駅 徒歩5分
国立駅 徒歩20分
お車:駐車場3台完備
診療対象動物
・犬・猫
診療科目
・各種検査
・外科
・内科
・予防接種
・トリミング
・ペットホテル