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はごろもブログ

パルボウィルス感染症について

2018年8月3日

こんにちは、院長の渡辺です。今日はパルボウィルス感染症についてお話します。

事の真偽は分かりませんが、先日訪れた立川の猫カフェでパルボが出たという話を耳にしました。お店の関係者の方とは面識が無いのではっきりとした事は分かりませんが、動物の飼育施設にパルボウィルス感染が発生してしまうと本当に大変です。その大きな理由が『致死率』と『伝染』にあります。

パルボウィルスは洗浄や消毒をしなければ環境中に数か月生き続けます。我々はパルボ疑いの犬や猫が来院した場合に、まず徹底的に行うのは『水際対策』です。診療の施術者、補助者はその都度白衣を変え、グローブを変えて、隔離室を作ります。感染元と成り得る動線は、次亜塩素酸の消毒を徹底し、隔離室の出入り口の足元には簡易的な消毒槽を設置します。出来るだけ全ての検査や治療を隔離室で完結できるようにします。施設内でのウィルスの拡散だけは絶対に防がなければなりません。

パルボウィルスの感染動物は下痢や嘔吐を呈します。感染の疑いがあればウィルス検査を行うのですが、仮に『陰性』であっても数日後に再検査をします。文字通り疑ってかかります。

感染した動物の治療は深刻なものです。感染したウィルスを撃退するために抗ウィルスのインターフェロンの注射薬の投与や、パルボに打ち勝った子が同施設にいればその子の血漿を輸血します。何度か試した事がありますが、インフルエンザの治療薬で有名なタミフルを用いる事もあります。

ただしそれらの治療と同じがそれ以上に重要と感じるのが徹底した支持療法です。嘔吐と下痢による重度の脱水、血液中のタンパク質濃度やミネラルの変化、低血糖になっていないか?などを細かくモニターし適正を保ちます。仔犬子猫は使える血管が少なく頸静脈からの輸液が有効です。嘔吐が止まれば鼻カテーテルより少量の給餌を始めます。支持療法が上手くいっている手応えのある動物は生存率の高い感覚があります。

集中的な治療から10日から2週間で回復してくる事が多いように感じます。それでも油断は出来ません。変わらず糞便などの排泄物からパルボのチェックを行います。例え体調が全快し、検査が『陰性』を示し無事退院できたとしても数週間は念のため糞便の廃棄は拡散を防ぐように注意してもらいます。可能であれば退院時には全身のシャンプーをさせてもらいます。

パルボウィルス感染動物の退院後に院内の徹底した消毒を隔離室に限らず行います。それだけでなく感染場所の可能性の考えられるペットショップやブリーダーを分かる範囲で把握しておきます。また東京ではほとんど見ませんが野外からの感染の可能性があれば(屋外に出る猫など)は飼育住所も把握します。次に同様の施設、地域付近から同症状の受診動物がいれば感染リスク有りとして、スムーズな対応が取れるように準備します。

我々動物病院のスタッフは受診動物にパルボウィルスの疑いがかかると、瞬間的に大きな緊張感に襲われます。それはパルボウィルスの怖さを知っているために、上記した様々な事項の引き出しの準備が一瞬にして頭の中に整うからです。

ワクチン接種はとても大事です。出来るだけ皆さんが打てるように心がけて貰えればと思います。

 
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